平成19年第3回定例議会 一般質問項目
民主党千葉市議会議員団
熊谷 俊人
通告に従い一般質問をさせて頂く。
1. 行財政改革について
実質公債費比率が24.8%と政令都市中ワースト2位となり、財政が一層厳しい状況にある中、市当局は第二次五カ年計画を大幅に見直すこととしている。財政再建のためには優先順位の低い事業について見直すことは当然である。
しかし、各会派とも主張しているように、財政再建の名のもと、市民にとって真に必要な事業すら予算が削られてしまっては、市民の活力が失われ、長期的には千葉市の衰退に繋がることも事実である。
また、創造性ある新規事業が延期・中止されることにより、職員の士気低下を招き、結果的には市政が停滞することも避けられない。
単純に予算を削るのではなく、行政のムダを徹底的に洗い出すための行財政改革を今こそ市を挙げて行わなければいけない時期だという認識に立ち、質問をさせて頂く。
1) 随意契約の見直しについて
随意契約の中でも特定の一者のみを契約の相手として選定した、いわゆる「一者随契」は手続きが簡略であるなどの利点もあるものの、ともすれば契約相手が固定化し、公正な取引が阻害される等の問題が生じる可能性がある。
一者随契の問題点は今日に始まったことではないため、市当局も適切な契約執行に向け取り組んでいることと理解しているが、監査委員会によって7月12日に報告された監査報告書によると、委託契約における不適切な一者随契が指摘されている。
また、監査報告書の中には、契約相手が長年固定化している契約についても記載されており、それを見ると同じ相手と6〜9年間契約しているものが16億円で、10〜14年で15億円、15年以上で38億円と、6年以上同じ相手と契約しているものが金額にして約70億円、比率としては53.6%となっている。
以下伺います。
- 監査報告書における一者随意契約の指摘について、どのように受け止めているのか
- 具体例として挙げられている各部局の契約について、「競争入札または競争見積」に変更可能なものはどの程度か。変更不可能なものの理由で主なものも挙げて欲しい
- 指摘事項に出ている「総合保険医療センター」「児童相談所施設及び農業集落排水事業の汚水処置施設における自家用電気工作物保安管理業務委託」についてはどう考えているのか
- 意見の中で、一者随契とする理由が具体的に記載されていないものが「散見された」とあるが、指導が各部局に浸透していないのではないか。散見された、ということは一部のミスではなく組織的な問題だと思うが、見解は。
- 同じ相手と6以上契約しているものが総額約70億円あり、監査報告書の意見の中でも「こうした契約は常に見直しを行う必要がある」と述べられているが、この契約は適正なのか。併せて今後の対応を教えて欲しい。
- 契約課が今に限らず適正契約に向け指導をしてきていることは理解し、評価もしているが、この監査報告書を見ると「指導」や「審査」ではもはや限界があるように思える。一定金額以上の委託契約については、専門の部署によって一元的に契約行為を行うことによって適正な契約、徹底した価格折衝を行う必要があると考えるが、見解を伺いたい。
2) 各種施設の計画見直しについて
財政再建のためには従来のような大型開発事業を控え、身の丈に合った施設の整備が必要と考える。
既に第二次五カ年計画の見直しの中で施設整備計画について見直しが行われていることと思うが、市長は以前地区ホール整備計画の見直しを示唆されていた。地区ホールは構想上は各区に一つずつ整備することになっているが、この点について何点かお伺いしたい。
- 7月にオープンした美浜文化ホールの稼働率はどの程度か。若葉文化ホールなど市が保有する他ホールの稼働率(文化交流プラザも含む)と合わせて明らかにして欲しい
- 各ホールの設置に要した費用と、運営のため毎年どの程度千葉市から支出されているか明らかにして欲しい
- 残りの花見川、稲毛、緑区の地区ホール整備については従来の第二次五カ年計画のもとでは、どのような状況になっているのか。
2. 個人情報保護、セキュリティ対策について
6月にも一般質問を行ったが、その際に財団法人みどりの協会が個人情報を紛失した事件を受け、市が保有する個人情報を委託している業者の緊急点検を要望した。
その緊急点検の結果を見ると、契約書において個人情報の持ち出しに関する規定が盛り込まれていなかった契約が903件中637件存在したが、実際の遵守状況については903件中1件を除いて全て適切に管理が為されていたという報告になっている。ちなみに1件というのは情報を流出させた財団法人みどりの協会です。
もう一度申し上げるが、903件中637件は契約で個人情報の持ち出しについて定めていなかったが、1件を除いて全て適切に管理をされていたという報告になっている。
こんな報告で済まされることに率直に驚きを隠せない。端的に伺う。
1. どのような調査を行ったのか。また、千葉市としてこの結果でいいと考えているのか
2つ目に今度は防災対策の観点から個人情報の活用について伺う。
あの痛ましい中越沖地震を受け、避難に支援が必要な要援護者情報を自主防災組織に提供することの必要性が叫ばれている。
柏崎市は3月、災害時の避難に支援が必要な高齢者、障害者の名簿を作成し、今回の地震で死亡した同市在住の9人のうち、4人が名簿に含まれていたが、自主防災組織や町内会などには名簿の情報は伝えられていなかった。
柏崎市は地震発生の直後、消防側に名簿を提供し、避難支援を仰いだが、発生後の情報提供は一定のタイムラグや混乱が伴い、実効性を疑う指摘も多い。
内閣府が平成17年3月に策定した避難支援ガイドラインの中でも、自力避難が困難な要援護者の名簿作りを自治体に促し、自主防災組織や町内会などとの情報共有を求めている。
千葉市の取り組みについて伺う。
2. 中越沖地震の教訓を踏まえ、千葉市として災害時の要援護者情報について消防局、消防団、自治会への提供はどのように進めていくのか
1. 行財政改革について
1) 随意契約の見直しについて
「指導を徹底」と何度かご答弁を頂いたが、もう何年も前から指導は徹底しているはずではないか。その上でこのような指摘・意見が出る以上、これは個別の契約の問題ではなく、契約システムそのものが不十分であると言われても仕方がないのではないか。
「真摯に受け止め適切に対応してまいりたい」とあったが、再発防止に向けた適切な取り組みを伺いたい。
- 当該契約責任者に対してどのような対応を行ったのか。また、この指摘を受け、再発防止に向け庁内に対してどのような周知がなされたのか。
- 1回目の答弁では、具体的に指摘を受けた3件は今後改めるということだったが、意見で出ていた長期契約については「適正に行われたものと考えております」ということだった。本当に適切に行われたのか。千葉市として「これら契約は一者随契で問題ない」と考えているということで良いのか。
2) 各種施設の計画見直しについて
メインホールの稼働率30.2%というのは厳しい数値であるが、オープンして2ヶ月の数値のため、今後の市当局の広報周知活動に期待したい。しかし、同じ地区ホールである若葉文化ホールはオープンしてから既に15年以上が経過しているにも関わらず稼働率は45.2%であることを考えると、一気に利用が伸びることも考えにくいのではないか。
美浜文化ホールは私も見たが、素晴らしい施設だと感じた。その分、設置に要した費用も約26億と、若葉文化ホールと比べると倍以上、管理費でも倍近くかかっている。文化施設は文化振興のための投資であるから、費用のことばかりを考えるべきではないが、市民の貴重な税金を投入する以上、ある程度の需要予測、費用対効果は必要と考える。
以下、2点について伺う。
- 美浜、若葉ともに稼働率が低いが、これは当初の見込みどおりなのか。この程度の稼働率で費用対効果はあると考えているのか
- 答弁の中で出た市保有のホール以外にも既に千葉市には
・ 県文化会館
・ 青葉の森公園芸術文化ホール
・ 蘇我勤労市民プラザ
・ 県教育会館
などホールを有する施設が多数存在するが、1区1ホール計画はどのような需要予測に基づいて策定されたのか
2. 個人情報保護、セキュリティ対策について
各所管が委託先に聞いただけの調査で済む問題なのか。
- なぜ企画調整局が現場に行ってチェックしないのか。契約では立ち入り検査ができるようになっているはずではないか。
- 具体的なチェック項目を設けた上でチェックをすべきと考えるが、どうか
- この調査結果はどこまで上がっているのか。部長か局長か副市長か市長か。
また、要援護者情報の活用について統一的なリストを作成し、具体的な活用方法を検討中とのことで取り組みを評価する。
ただ、地震はいつ来るか分からない。1日も早い対応が必要である。
4. 要援護者情報が実際に活用できる時期はいつ頃か。
@消防局、A消防団・自治会、それぞれ見通しを明らかにして欲しい
1. 行財政改革について
1) 随意契約の見直しについて
私は不適切な契約を行った契約責任者に対してどのような注意が為されたのか伺った。民間企業では、管理職の責務の中に適正な契約の遂行があり、不適切な契約を行った場合は何らかの責任を取る。何も処分が無いとは考えられない。
また、「他の者では受託することが困難」であることが理由に挙げられるが、本当にそうなのか。例え現時点で技術的に一者しか不可能であったとしても、市側が作業等に立会いノウハウを吸収することで、仕様書を市側で作成し、次年度別の業者に委託することが可能になるものもあるはずである。
財政難だと口を開けば言っている中で、長年同じ相手と契約しているものが70億円あるにも関わらず、「適正に契約されている」で済ますその姿勢が市民から理解されると考えているのか。この機会に全ての部署において契約を洗うべきではないか。
コスト削減に向け、あらゆる努力を行うという気持ちが答弁からは感じられなかったが、「真摯に対応する」という言葉もあり、今後の対応を注視させて頂く。
2) 各種施設の計画見直しについて
費用対効果・需要予測を私は伺ったのだが、全くご答弁を頂けなかったのは残念だ。
文化への投資は千葉市の魅力を高め、長期的には市の発展に寄与することは間違いなく、私自身、千葉市は文化振興にもっと予算を割くべきだと考えている。
将来的には1区に1ホールあることが理想であり、稲毛区選出の議員としては当然稲毛区にも早急なる地区ホールの整備を望むものである。
しかし、市の財政に責任を持つ立場として、第二次五カ年計画における地区ホール整備計画については需要予測や優先順位を十分に吟味した上で、適切な見直しが行われるよう要望する。
ただし、私がここで強く申し上げたいことは、ハード的な投資を先送りしたとしても、決してソフト的な投資を削ってはいけないということだ。
先週の決算審査の中で公明党の片田議員も質問されていたが、文化団体への助成金は平成16年度が186万、平成17年度が165万、平成18年度が142万と毎年削られている。本来、こういう予算こそ拡充し、市民の文化活動を促進させていかなければならない。
大きなホールを作って市の文化レベルを無理に引き上げる”養殖的な”文化振興ではなく、市民の草の根の活動を支援し盛り上げていくことで、自然に地区ホールの需要が湧き上がるよう努めて頂きたい。
地区ホールを先送りする分、より一層の文化振興への予算拡充を求め、要望とさせていただく。
2. 個人情報保護、セキュリティ対策について
個人情報の所管は藤代副市長とのことだが、藤代副市長はこの報告結果で良いとお考えか。
各所管で検査しているので問題ない、ということであれば例の事件など起きなかったであろうし、そもそも何のために情報化統括管理者がいるのか。取りまとめだけをする管理者ではないはずだ。
セキュリティに関して専門知識を有する担当が現場をチェックして初めて明らかになる問題点もある。また、そのチェックに同行することで所管は「こういう所を気をつけないといけないのか」と勉強になり、自律的なセキュリティ向上に役立てることができる。
前から申し上げているが、全体のセキュリティに責任を持ち、運用をチェックする部署が無ければ、また同じような問題が起きる。
私がなぜここまでしつこくセキュリティ対策の必要性を申し上げるかというと、一度個人情報を流出させてしまえば、再発防止にいくら取り組んでも”流出させた”という過去をひきずり続けなければならず、千葉市の行政サービス向上に大きな禍根を残すことになるからだ。
今後IT社会の進展に伴い、行政はますます電子化されていくだろう。それとともに個人情報流出のリスクはますます高まる。「便利になるのはいいが、個人情報をしっかり守ってくれない限り賛成はできない」という市民も多く出てくるだろう。
行政サービスを飛躍的に向上させる電子化の推進には、自治体の個人情報保護に対する取り組みへの市民の信頼が不可欠である。
統合連携基盤の整備を始め、千葉市も電子行政サービスの充実に向け投資を強化しているが、一度個人情報を大量に流出させてしまえば、こうした投資が全て水の泡になる危険性があることを常に意識して対策に取り組むよう強く、重ねて要望し、私の一般質問を終わる。 |