
モノレールの経営について
今回の議会において市民の方から、県庁前路線の延伸計画の中止を求める陳情が出ています。私たち民主党は先日行われた都市消防委員会において、この陳情に賛成いたしました。
今の千葉市の厳しい財政事情を考慮すれば総事業費176億円もの投資が必要なモノレールの延伸は少なくとも当面の間実施すべきではない、というのが民主党の考えです。
しかし、私たちはモノレールそのものを否定しているわけではありません。
千葉市が自動車中心の都市からコンパクトシティを目指す中で、公共交通機関の果たす役割は非常に重要であり、そして千葉市が持つ唯一の公共交通機関である千葉都市モノレール無くして、千葉市の都市設計は考えられないからです。
その意味において、市民にモノレールの果たしている役割を正しく理解して頂き、市民に愛されるモノレールを目指していかなければなりません。
そうした視点に立ち質問をさせて頂きます。
1) ICカード導入について
モノレールは2009年3月からICカード「PASMO」に対応することとしていますが、新聞報道ではその導入費用は10数億円に上るとのことでした。
モノレールは既に車両の更新時期にきており、今後その更新費だけで数十億円の費用が発生すると言われています。その上さらに10数億円の投資に本当に耐えられるのでしょうか。
県・市合わせて200億円以上の貸付金を放棄してまで再建したモノレールです。もうこれ以上杜撰な計画による税金の投入は市民の理解を得られません。これら投資の妥当性について市も議会も真剣に考えなければなりません。
そこで以下伺います。
1. 巨額の費用を要するICカードを導入する理由は何か
2. ICカード対応に伴う費用の内訳を明らかにして欲しい
3. 同程度の収入がある他の第三セクター鉄道のICカード対応状況を明らかにして欲しい
4. 新型車両の費用と導入スケジュールは
5. ICカードと新型車両という巨額投資の費用をどのように調達するのか。調達、返済スケジュールを明らかにして欲しい
2) 経営の実態について
平成18年度の決算ではモノレールは約2億円の黒字となり、千葉市の10大ニュースにも取り上げられました。しかし、これはモノレールの経営再建策の一環としてモノレールが所有する施設90億円分を千葉市に無償譲渡し、減価償却費や設備更新費が大幅に減少したためであって、本質的には経営はそれほど改善していないわけです。
そこで、他のモノレール会社と比較して、千葉都市モノレールは一体どのような経営状況にあるのか、明らかにするため以下質問します。
1. 他のモノレール会社や第三セクター鉄道と比べ、千葉都市モノレールと市の資産の持分比率はどのようになっているのか。多摩モノレールと比べると千葉都市モノレールは市に相当の資産を面倒見てもらっていると思うが、どうか。
2. 90億円の資産譲渡をしなければ損益はどうだったのか。キャッシュの影響額も合わせて明らかにして欲しい
3. 他モノレール沿線の自治体で実施されている固定資産税の減免措置はどうなっているのか。現在の納税額と合わせて明らかにして欲しい
また、以下の点についても伺います。
1. 市民に愛される公共交通機関を目指すためにも、社長を公募し、積極的に市民にアピールしていくことが必要ではないか。
2. 昨年度のモノレールの年間利用者数と、コミュニティバス、区役所バスなど、市が持ち出しで実施している交通機関の年間利用者数と市の持ち出し金額を明らかにして欲しい
3. 役員の退職金はどうなっているか?
毒ガス弾のおそれがある不発弾の調査について
稲毛区長沼原において昨年5月から8月にかけて毒ガス弾の可能性がある不発弾が合計4発発見されました。
10月8日に周辺地域への説明会が実施され、周辺道路の封鎖と物理探査の実施などが説明されましたが、実際に調査が始まったのは今年の5月に入ってからです。何故これほど調査開始まで時間を要してしまったのか。5月17日に行われた2回目の説明会に私も出席をしましたが、住民からは「長期間にわたって道路が封鎖され、生活に影響が出ている」という訴えが多数寄せられていました。
住民の安全と生活の確保に向け、速やかな調査と道路の開放が求められますが、以下伺います。
1. 調査の今の状況、今後の見通しについて明らかにして欲しい
2. なぜ調査がここまで遅れたのか。国に対してどのような働きかけを行ってきたのか
3. 生活道路の開放を優先して調査を進めるべきだが、国との協議はどのようになっているのか
モノレールの経営について
答弁で明らかになったとおり、もともと千葉都市モノレールは全体事業費の30%しか資産を保有していませんでした。これは28%の大阪モノレール並みで、 39%の沖縄都市モノレール、46%の北九州モノレール、52%の多摩モノレールと比べ身軽な状況でスタートしたということで、減価償却費や設備更新費などで恵まれているわけです。
そのうえ更に90億円の資産譲渡をした。これは30%のうちの40%にあたりますから、今モノレールは全事業のうち、わずか20%弱しか持っていない。言い換えれば全体の80%も市に面倒を見てもらっているということになります。ここまでやれば黒字にならないわけがない。
この90億円の資産譲渡が無ければ平成18年度決算はどうなっていたか。
減価償却費が7億5千万円浮いた、税金が4000万円浮いた、設備の修理が8000万円浮いた、合計8億7000万円浮いた。モノレールから見て8億 7000万円浮いたということは、千葉市は8億7000万円分負担したということ。
モノレールは平成18年度決算で約2億円の黒字なので、この8億7000万円を差し引くと本来は6億7000万円の赤字だったということになる。
ただし、多摩モノレールなどで実施されている固定資産税の減免措置を千葉市は行っていないので、これをもし実施していたと仮定すると効果額は約6500万円なので、6億7000万円からその効果を足すと、ちょうど6億円の赤字ということになる。
これは乱暴な計算なので実際の数値はやや変動するが、千葉都市モノレールの本当の経営状況はこういうこと。これを忘れてはいけない。
ちなみに他のモノレールの経営状況は、多摩モノレールは赤字だが営業利益では7.8億円の黒字、大阪モノレールが4億円の黒字で営業利益は18.9億円の黒字、湘南モノレールで1.5億の黒字で営業利益では2.5億円の黒字。
さて、こうした実態のモノレールがICカードを導入する。
答弁で明らかになったとおり、ICカード導入には13億円必要で、さらに毎年5000万円がかかる。本当に導入すべきか真剣に議論されたのか。
乗り継ぎの利便性向上というが、千葉都市モノレールの場合、他の交通機関との乗り継ぎは千葉駅と都賀駅の2駅だけで、さらに直接乗り継ぎができるのは都賀駅だけ。直接乗り継ぎする場合は切符や回数券を2枚同時に入れる必要が無くなり利便性は大いに向上するが、千葉駅の場合は乗り継ぎできないので利便性は殆ど向上しない。
本当にそれだけのために13億円を投資する必要があるのか。
13億円あれば高いと言われている運賃を大幅に安くすることもできるし、配当という形で千葉市に還元することできた。
他の交通機関も導入しているからうちもやると言われても、先ほどから述べているとおり他よりも厳しい経営状況の中にある。筆頭株主である千葉市は責任をもって計画の妥当性を判断すべき。
にも関わらず、新型車両の費用や導入スケジュールを聞いても出てこない、資金計画を聞いても「キャッシュフローの範囲内で実施すると聞いている」、これで本当に良いのか。
・実質的には赤字の状況でICカード・車両更新で数十億円を投資するにも関わらず、中長期的な資金計画が無いのはおかしいのではないか。モノレール救済のため100億円の貸付金を放棄した、つまり市民の税金を100億円つぎ込んだ、さらには資産を引き受けて毎年8億7000万円分も負担する、その筆頭株主である千葉市としてそれで市民に責任が持てるのか、お答え頂きたい
誤解のないように言っておくと、私は千葉都市モノレールが赤字だからいかんと言っているわけではない。
本来自治体が持つ公共交通機関は例え赤字であっても、それが市民の大事な足になり、また都市計画上、必要な交通手段であれば十分その役割を果たしていると言える。
他の先進国では特別に税金を取って公共交通機関を運営している事例も多数ある。例えばアメリカのポートランド市ではLRTを活用したコンパクトシティのお手本とされているが、収入の3分の2は税金で賄っている。また、サンフランシスコでも税金が投入されている。
それだけ公共交通機関というものは黒字だ赤字だという側面だけで考えるのではなく、都市計画全体の中でどういう役割を果たすものなのか、という視点が必要だということ。
先ほどコミュニティバスと区役所バスの乗客数と委託額・補助額を尋ねた。
これは市民を運ぶために税金を投入している、という意味でモノレールを考える一つの指標になる。
コミュニティバスは年間12万8000人を運ぶために3100万円を投入した。即ち1人を運ぶために242円投入しているということ。区役所バスでは 340円。
モノレールは利用者が1664万人、先ほど私は実質的には6億円の赤字といった。これを市の負担として計算すると一人あたり36円になる。コミュニティバスの242円、区役所バスの340円と比較すると圧倒的に一人あたりの負担額は安いことになる。
もちろん、モノレールの場合は他に交通手段がある乗客も運んでいるため一概に比較できるものではないが、公共交通機関が黒字赤字という観点だけで考えるものではないことがお分かり頂けるかと思う。
コミュニティバスはどんどん走らせろと言っておいて、モノレールは黒字で無ければならない、という話はおかしいということ。
しかし、しかし、それには公共交通機関に対する市民の理解が絶対に不可欠である。
私が前段でなぜ90億円の固定資産の譲渡に対してあそこまで拘ったかというと、こういうことをすることで千葉市民がモノレールという存在について本当の意味で考えてもらう機会を失ってしまうのではないかと危惧しているからだ。
モノレールは今後も千葉市の都市交通を担うものだし、コンパクトシティを目指す中で将来的には延伸することもあるかもしれない。
しかし、そうした時に必ず市民は「延伸したことで赤字になるのではないか」と質問してくるだろう。少なくとも市民は平成18年度から黒字に転換したと思っている。もう赤字に戻ることは市民感情として受け入れられないだろう。
安易に見せかけの黒字化を選んでしまったがために、"赤字であっても公共交通機関は必要な場合もある"、という理念を理解してもらうことが難しくなっているのだ。自分で自分の首を絞めているようなものだ。
そこで伺うが、
1. このような形で見せかけの黒字化をしたがために市民の誤解を招き、また公共交通機関への理解が永遠に得られなくなる点についてどう考えているのか。また、なぜこのような措置をしたのか
2. 資産譲渡によって黒字になった事実をモノレールのホームページなどで市民に分かりやすく公表し、モノレールの実態について市民の理解を得るべきではないか。
3. 赤字であっても公共交通機関として市民に愛されるためには、社長が積極的に市民にアピールすることが必要。マネジメント能力や企画能力ではない、発信力のある社長を選ぶ必要があるのではないか。
毒ガス弾のおそれがある不発弾の調査について
調査方法の検討、予算の確保、業者の選定で時間がかかったというが、毒ガス弾の可能性があると分かって道路を封鎖してから調査終了まで1年もかかるというのはやはり地元にしてみれば「千葉市は全力で働きかけをしてくれたのか」と疑問を思うだろう。
そこで伺うが、
・予算措置、調査開始に向けて具体的にどのような働きかけを行ったのか。市幹部の省庁への要望活動、地元選出国会議員への働きかけなど、具体的な行動を示して欲しい。
・封鎖解除に向けて連絡協議会の場で議論はしていないのか。していなければ日程は決まっているのか。決まっていなければ何故説明会でも意見が出たにも関わらず、議論に向けて動いていないのか。
毒ガス弾のおそれがある不発弾の調査について
昨年8月24日に関係部長が各省庁に文書で要望したとのことだが、本当にこれ以上の働きかけができなかったのか。
暫定税率の時には鶴岡市長自ら千葉市選出の国会議員に働きかけるなど、なりふり構わないほど積極的に働きかけをしていたではないか。なぜ暫定税率の時にはできて、今回のように市民の安全に関わり、なおかつ市民生活にも影響が出ているこの不発弾の案件でそこまでの働きかけができなかったのか。
また、道路の封鎖解除に関しては、その対応について協議しているとのこと。
どのような形であれば住民への影響を緩和できるか、国と真剣に協議をして頂きたい。
1) モノレールの経営について
答弁によると、中長期的な資金計画は取締役会にて随時審議され、承認されているということだった。取締役会には千葉市からは林副市長が出席している。ということは市は資金計画を持っているということ。
これがなぜ議会に出てこないのか。私の質問に対して何も出てこないのか。モノレールは株式会社であるものの殆どの株を市が保有している、何かあったら千葉市が面倒を見なければならない、モノレールの資金計画はそのまま千葉市の財政計画に直結している。その事実を考えれば私の質問に対し、何のデータも出さないというのはおかしいのではないか。
私は何も資金計画をそのまま出せと言っているのではない。ICカードや車両更新という数十億円かかる巨額の投資に対し、どのような考えで最終的に判断を下したのか、それが分かるものを出して欲しいと言っている。それに対し、取締役会で資金計画を審議し了承している市は「キャッシュフローの範囲内でやることになっている」という回答しか議会に行わない。
要は「大丈夫だから任せておけ」と言っているに等しい。これで本当に市民に愛される、理解されるモノレールを目指せると思っているのか。
今月末にモノレールの株主総会がある。林副市長が出席すると聞いている。
これは市民の代表として出席するということ。その場で、市民の代表として、どのような質疑を行い、了承したのか、後日報告を頂きたい。
次に「見せかけの黒字化で市民の公共交通機関に対する理解を得られなくなったのではないか」という私の質問に対し、なんだかよく分からない答弁を頂いた。
2億7000万人運ぼうと利用者が増加傾向にあろうと、それは市民の理解とは直接関係ない。
「赤字であっても千葉市にとって大事な交通手段」
「できるだけモノレールを使うようにしよう」
そう市民に思ってもらうことが千葉市にとってのゴール。
そのためには公募の社長が必要。
私がなぜ公募の社長にこだわるか。
それは先ほどから私が言っている「公共交通機関は赤字であっても必要」というこの理念がいくら立派な考えに基づいていても、天下り社長が言ったら何の説得力もないからだ。自己弁護にしか聞こえない。
しがらみのない社長が全力で経営改革を行い、そしてそのモノレールの取り組みを市民に積極的に、そして真摯にアピールして初めて市民はモノレールを愛そうと思うわけだ。その社長が「赤字であってもモノレールは千葉市に必要なんです」と言えば、市民も考え始める。 いくらマネジメント能力があっても企画力があっても市の内部から社長を選び続けている限り、永遠に理解は得られない。確かに今モノレールは以前に比べれば頑張っている。しかし、市民にはなかなか伝わってこない。
千葉都市モノレールが例え市民に負担を強いたとしても市民に愛される交通手段になるためには、外部から来た社長が市民に対して「モノレールはこんなに頑張っている。役に立っている。モノレールは千葉市に必要だ」、そう言って理解を求める時期が必ず必要。
内部のマネジメントは副社長でもできる。モノレールの社長に求められる役割はそういうこと。
市は是非このことについて真剣に考えて欲しい。
今のモノレールの経営状況を隠さず正直に市民に話すこと、そして社長を公募することを、改めて強く求めて私の一般質問を終わらせて頂く。






