会派を代表し、
議案第71号 専決処分について(平成20年度千葉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号))について賛成の、
議案第85号 指定管理者の選定(千葉市民ゴルフ場)について反対の立場から討論を行います。
議案第71号 専決処分について
(平成20年度千葉市国民健康保険事業特別会計補正予算(第1号))
- 一般会計からの繰り入れをやめ、繰上げ充用にて対応するものだが、徴収率が予算見込みを下回ったことがそもそもの要因。徴収体制を強化するなど徴収率の改善に努められたい
- ただし、滞納者に対する資格証明書の発行について、千葉市は他政令市と比較しても高い水準にあることから、真に医療が必要な市民が医療を受けられない事態にならないよう、十分な配慮を行うこと
議案第85号 指定管理者の選定(千葉市民ゴルフ場)
まず、この市民ゴルフ場の指定管理者の選定を巡っては、3月の第1回定例会に議案として上程されたものの、内定した共同企業体の計画案に不備があったため議案が撤回されるという、実に33年ぶりの事態に発展しました。その後、再度、今定例会に上程されたわけですが、議案質疑・常任委員会で私たち民主党が一貫して主張してきたことは、「市民に納得してもらえる透明性のある選定を行うべき」、この1点であります。
この市民ゴルフ場を作るにあたっては、市民の税金が34億円投入されています。10年間の土地借上料を入れると総額38億3000万円になります。
それだけの税金を投入して作ったゴルフ場の管理を10年間という長期間にわたって託する意思決定をするわけですから、そこにいささかの疑義もあってはなりません。
その観点からこの議案を見ると、とても市民に胸を張って「正しい選定を行った」と言える内容ではないと言わざるを得ません。
問題点を以下の5つに分けて整理をしたいと思います。
- 提案書の内容と事実の乖離
- 共同企業体の責任
- 再選定方法の問題
- 選定委員会の構成と評価点の問題
- 指定管理者制度が抱える問題
1.提案書の内容と事実の乖離
PGAの一課長が独断で行動していたというPGAの内部統制の問題や、PGAと共同企業体で主張の食い違いがあるなどの問題はあるが、少なくとも指定管理者の選定にあたっては提案書の内容をもって選定している。仮に共同企業体が被害者であるならばPGAに対して損害賠償請求でもすれば良い話。本筋の話ではない。である以上、提案書に書かれた内容が事実かどうかという点が一番重要な問題。
提案書には日本プロゴルフ協会(PGA)の協力について実に多岐にわたって書かれている。
「全面的な支援」
「物心両面に渡る支援とアドバイス」
「日常運営におけるバックアップ体制の中心的役割」
「広報展開の中心的役割」
など13ページ、22回にわたってPGAという言葉が出てくる。
しかし、実際にはこの提案書が提出される11月28日より9日前の11月19日に行われたPGAの理事会において、PGAとしてこのような協力をすることを却下しており、現時点で提案書に書かれた内容の協力をPGAが行う保証は無い。
委員会での審議の中で、教育委員会は「PGAが協力することになっていたものは、千葉県ゴルフ協会が行うから問題ない」と答弁したが、これはおかしな話。
「結果が同じであれば誰がやっても問題ない」ということであれば提案書の意味は何なのか。そんなに提案書の内容は軽いものなのか。それでは今後「誰が実施するか分からないがとりあえずこの企業の名前を書いておけ」という話がまかり通ることになる。そんなことはあってはならない。なぜそこまでこの共同企業体をフォローするのか。
また、千葉県ゴルフ協会が果たして「物心両面に渡る支援」などを本当にしてくれるのか。どこが行うにしろ、あまりに行き過ぎた表現ではないのか。
13ページ、22回にわたって、それこそ「全面的にアピール」されたPGAの協力が得られないというのは、これは既に提案書が提案書の体をなしていないと判断せざるをえないのではないか。
2.共同企業体の責任
指定管理者の募集要項には「応募書類に虚偽の記載があった場合、その応募は無効とします」とある。これほど提案書の内容が事実と異なるにも関わらず、この「虚偽」にあたらないと判断した理由は「共同企業体は被害者である」という考えに基づいている。では本当に共同企業体に責任は無いのか。
共同企業体、PGA双方へのヒアリングに基づくと
- PGA課長に共同企業体もPGAも振り回されたことになる
- PGA理事会の議事録を見ても「突然話が来た」と認識している
しかし、明らかな事実として、共同企業体は11月19日にPGA理事会で却下されたことを少なくとも翌日には知っていた。にも関わらず「全面的支援」「物心両面にわたる支援」と書かれた提案書を28日に提出している。これはおかしいのではないか。
理事会で却下されたにも関わらずこのような表記をしたことについて共同企業体は選定委員会にて「反対意見はあると思っていたが、一部であり会長自身は賛成と聞いていた」と答えている。
理事会で却下されたということは反対は「一部」ではなく、全体の意思として反対ということであり、当然そのトップである会長も公式には「反対」ということになる。こんなことは当たり前だ。普通は理事会の内容を確認するため、議事録をもらったり、出席していた理事に話を聞くことが当然。
共同企業体の論理は破綻している。
次に共同企業体が選ばれた理由の一つに「PGAの全面協力」があったと、1月17日に新聞で報道され、PGAは共同企業体に「記事の内容は事実と異なるため千葉市教育委員会に対して訂正をして欲しい」旨をPGA会長名の文書にて依頼をしている。
しかるに共同企業体は一向に教育委員会にこの事実を伝えず、業を煮やしたPGAが2月18日に教育委員会に赴き、協力団体になることを承認した事実はないことを伝えている。
共同企業体が仮にPGA課長に振り回されていたと仮定しても、PGA理事会で却下された事実を知っていたにも関わらず「全面的支援」と提案書に記載し、また会長名で「全面的協力の事実はなく訂正せよ」との文書を受け取っていたにも関わらず、意図的に教育委員会、及び選定委員会に対し事実を伝えなかったことは問題ではないのか。
責任は共同企業体にもあると考えるのが妥当ではないのか。
3.再選定方法の問題
「提案書は事実と異なる」「共同企業体は意図的であり責任がある」、この2点から私は十分「虚偽」に相当し、無効であると考える。百歩譲って「虚偽」にあたらないとしても、この提案書は効力を持たないことは疑いようも無い事実である。
常識的に考えれば、再度事実に基づく提案書を再提出させることが正しい選定のあり方である。しかるに選定委員会は事実と異なることが既に明白な提案書からPGAの表記を除いて再度評価するという手法を取っている。
13ページ、22回にわたって書かれたPGAを抜けば、既に提案書の体をなしていないと考えることが妥当であり、他会派からも「なぜ提案書を再提出させなかったのか」と指摘がなされた。
4. 選定委員会の構成と評価点の問題
このような評価をした選定委員会とはどのような構成なのか。9人の委員のうち外部委員は3名のみで内部委員、即ち市職員が6名もいる。
市は「市の判断ではなく選定委員会の判断」とよく言うが、この構成を見れば市職員が中心であることが分かる。これは問題ではないか。
また、一番の問題はこの9名の委員のうち、ゴルフ場経営について知識がある委員は外部委員1名のみという点である。
ゴルフ場経営という特殊なノウハウを要する事案の評価を、ノウハウが無い委員が下すというのは問題ではないか。
自治体特有の施設を委託する場合は、内部委員が中心でも問題はない。しかし、ゴルフ場という、本来市が行うものではない施設についても他の施設と同様に内部委員が中心になって判断することはおかしい。
弁護士・公認会計士にゴルフ場経営のノウハウがある人物を複数任命し、「長期に安定して運営ができる業者を選定する」という市の観点を入れるため一部委員のみを内部委員とすることが適当だったのではないか。
なぜここまで内部委員と外部委員にこだわるか。
それは内部委員と外部委員で驚くほどこの共同企業体に対する評価点が違うからだ。
- 外部委員では共同企業体を1位にした委員は1人で、全体でも2位
- 内部委員は共同企業体を全員が1位とし2位以下に平均すると70点近い差をつけている
- 内部委員は2位と3位の差は8点、3位と4位は18点差。1位と2位の差が極めて大きい
- 3位以下の点数は外部委員平均も内部委員平均も殆ど同じ。1位と2位だけが全く違う評価
- 委員個々の点数を見ると、外部委員はそれぞれ1位と2位の点差は4.3点、0.7点、15.7点。しかし内部委員は3人が2位との間に40点以上点差をつけている。中には86点も差をつけた委員もいた。そこまでこの企業体を評価している。
- 減点も外部委員が27.78点下げ、結果2位、2位、4位に対し、内部委員は15点のみ減点し、1人を除いて結局1位のまま。中には5点しか減点していない委員もいる。
事実、選定前にそのような話が噂として流れていた。噂は噂。だが、だからこそ透明性のあるプロセスを踏まなければならない。
では、内部委員がそこまで評価するほど、この企業体の提案は優れていたのか。
私が見た限りでは確かに優れた提案書ではあるが、内部委員の点差ほど圧倒的な内容とまでは断定できなかった。そのため2位3位の提案書も見せて欲しいと要望していたが、結局出てこなかった。出せない理由は「企業のノウハウが含まれているから」とのこと。しかし、経済教育委員会にて私が「2位3位の企業に依頼はしたのか」と質問したところ「聞いていない」とのこと。なぜ先方に聞きもしないのに教育委員会が判断しているのか。
そして、今ようやく2位3位の企業に提案書を出して良いか照会をかけているとのこと。私たち民主党は議会が始まる前の教育委員会との勉強会においても、そして議会が開会して直後の議案研究の場でも要望している。なぜ、今ころになって照会しているのか。
まるでこの議会が終わるタイミングを待って動いているようにしか思えない。
結局、私は直接企業にお願いをして提案書を頂いた。2位か3位かは申し上げないが、この提案書を見ても1位と2位の提案内容にそこまで圧倒的な点差をつける理由は見当たらなかった。私も外部委員の点とほぼ同じ感想。
結局のところ市は内山緑地というゴルフ場整備においての知名度と、その財務能力を高く評価しただけではないのか。事実、勉強会の席でも担当者とのヒアリングの中でも教育委員会からは何度も「内山緑地は凄い企業なんです」という発言が出てきた。
そうだとすると提案型と言っておきながら、提案内容とは全く違うところで結果が決まっていたということになる。これで公平な選定と言えるのか。
5.指定管理者制度が抱える問題
これだけの問題点を抱えながら、提案書を再提出させず、事実と異なる提案書で選定をしてしまえば、提案書に書かれた内容はそんなに無責任でいいのか、ということになる。要は「書いたもの勝ち」になるということだ。これは指定管理者制度そのものの信頼を損ねる結果になる。
例えば、この企業体の提案書にはPGAの表記以外にも年間入場者が46,000人という思い切った見積もりをしている。
市がコンサル会社に依頼して見積もった入場者数は年間で26,000人で稼働率は59%。この企業体は2倍近く入ると提案書に書いている。稼働率では80%、これは雨の日以外はいつでも回り続けているということ。これが現実的なのか。どのゴルフ場経営者に聞いても「これでは芝がもたない」と言っている。
2位から8位までの平均は30,283人。
千葉県にあるゴルフ場の昨年度の入場者数平均は9ホールで21,239人、18ホールで41,675人。
いかにこの数字が突出しているかがお分かり頂けると思う。しかもこの企業体は2年目からはさらに49,000人まで入ると試算している。
市はこの数字に対し、埼玉県川口市にある浮間ゴルフ場が45,000人入っているからあり得ない数字ではないと言っている。
しかし、浮間ゴルフ場は各ホールに2つグリーンがあり、一方のグリーンの芝が荒れても、もう一つのグリーンでプレーができ、その間に荒れた芝を直せる仕組みになっている。
千葉市民ゴルフ場は1つしかグリーンはない。2グリーンある浮間ですら一番入った年で45,000人、昨年度は43,000人。
PGAの表記といい、入場者数の試算といい、こういう「言ったもの勝ち」という提案を認めてよいのか。何もペナルティがない。
今までの指定管理者の中でも提案書に書かれた内容が実施されていなかった事例もある。こうしたことを許していては、真面目に、できることだけを書いてきた業者が馬鹿を見る。こういう選定方法で良いのか。
結論
以上、5点の問題点から、私たち民主党はこのままでは、選定結果を認めることはできない。経済教育委員会では、PGA・共同企業体などの関係者を参考人として呼んで慎重に審議するため継続審議を主張したが、認められず残念だ。
教育委員会は今回の件で本当に苦労した。また、なんとか秋のオープンに間に合わせたいという気持ちも分かる。指定管理者の選定が遅れれば、その間の管理費も市の負担となる。
しかし、そのことを理由に市民の税金を34億円投入したゴルフ場を10年間管理する業者を安易に選んでいいのか。市民の信頼とどちらが大事なのか、結論は明らかだ。
市の内部委員はこの企業体を、PGA分を減点しても極めて高く評価している。それが正しい評価であれば、選定委員を入れ替え、提案書を再提出させたとしてもこの企業体が選ばれるはずだ。
税金を預かる市として、市議会として慎重な対応を求める。
私たち民主党は、市民の税金を34億円投入したゴルフ場を10年間管理する業者を選ぶ選定方法として、千葉市が市民に誇れる適切なプロセスを踏んだ、と市民に対して説明できる内容ではないことから、当該議案に対して反対することを表明し、討論を終了する。

